授業者の落書き

「先生」という仕事で頑張りたい!

⑮逃げる先生~先生!それは言行不一致です!~

「うちのクラスの子ども達は本当にダメなんです」

ある研修会の席上、こう溜息を洩らした先生がいました。

「気力がないというか・・・」

「挑戦しようとしないというか・・・」

「言われたことだけやって、後はどうでもいいというか・・・」

「自分達からやろうみたいなことがないんです」

「だから学校生活も盛り上がらないんです」

「こんな子ども達には、どんなことをしたらいいんですかね?」

こんな言葉が続きました。

学校現場ではよく聞くような話ではあるかとは思いますし

それを問題に感じ、どうにかしたいと思うのは、

少しでも良い学校生活を、という善意だとか思いだとかのあらわれだ

とは思いました。

ただ、

この先生自身はどうかと言うと、

子どものやる気のなさに溜息を洩らしながら

研究授業の授業者を決めるような席上では

決して手を挙げませんでした。

「自分ができない理由」「自分がやらない理由」はいろいろと出てきました。

「忙しい」

「他にもやらなければいけないことがある」

「自分の状況では難しい」

つまりは「やりたくない」のでした。

「挑戦しない」のでした。

 

研究授業をする。

「教師」として現場に出たら、避けることはできません。

「一度も研究授業をしたことがない」

という「教師」はいないはずです。

学校現場において、研究授業は負荷が大きい仕事の一つです。

「教師の仕事の核は授業」

多かれ少なかれ、現場でも各種の研修でも、私達はこう教わります。

その核である授業を

日頃、大人が入ることが稀な教室でやっている自分の授業を

多くの先生方に見ていただく

見ていただくだけでなく、授業後には協議と称して、その是非を話し合っていただく。

先輩に何を言われるか。

同期は何を感じるか。

後輩の目にはどう映るか。

大変な緊張場面ではあるわけです。

「年に一度の非日常」

なんて先生もいるはずです。

 

冒頭の

「うちのクラスの子ども達は本当にダメなんです」

といった先生・・・

善意もあるし、実際に忙しいのだと思います。

でも、

じゃあ、自分の仕事の核とされる授業を考える大切な機会を

自ら放棄する姿

挑戦しようとしない姿

その姿をどう解釈するのでしょう?

子ども達が挑戦しようとしない理由の大きな一つが

あなたのその姿勢にあるのではないかな?

言行不一致なのでは?

なんて私は思いましたが、ご覧になった皆さんはどうでしょうか。

言行不一致?

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ちなみに

人の言行不一致を取り上げる自分自身はどうなのか?

振り返ってみて、私にも多々あります。

日々、子ども達に「挑戦のすばらしさ」を語りながら

自分自身は逃げ出したくなるような場面が多々あります。

そして、実際に避けてしまっている場面が多々あります。

でも、殊、核とされる授業に関してだけは逃げません。

「逃げない」と決めて、あらゆる緊張と向き合っています。

そこの誠実さだけはなくしたくない

なんて思ってはいるのですが、

ただのご都合主義なのかもしれません・・・。

 

いずれにしても、

「先生こそ言ってることとやってることが違うよねぇ」

「教師なんか、大抵、言行不一致だよねぇ」

みたいになるのだけは、

出来るだけ、

少しでも、

避けたい

負荷や困難や苦手にも向き合う勇気を示せるような自分でありたい

とは思いますが、いかがでしょうか。